薬局開業、独立への道26【患者様の心に寄り添う投薬を!】

こんにちは。

もうこのシリーズもダラダラと26回目になりました。

つまらん!と感じた方はすみません。
「勉強になりました!」、「いつも楽しみに読んでいます!」と言ってくださる方もたまにいるんです(笑)

患者様のこころに寄り添う投薬とは

今までも散々触れてきた話題ですが、現在薬局の件数は全国で5万9千件。

これは明らかに

多すぎ君です!

競合相手が多すぎて、相手も自分も苦しい状況です…
生き残りを掛けて在宅業務の必要性などにも触れてまいりました。

患者様のお話を伺っていると、添付文書の読み上げをするだけの投薬に辟易している方は、実は結構います。
他のサービス業で当たり前に行われていることが、薬局業界では殆ど行われていません。
それが出来るだけで、近隣に大手チェーンが参入しても患者様のご利用が途切れる心配もありません。
今回は独立開業のお話はお休みしまして患者さまへの具体的に考察していきましょう。

患者様の家族環境を把握する!

ご家族で利用されているケースです
お子さんの好き嫌い・学年、ご主人のお仕事(多忙なのかテレワークで時間的余裕があるのか?)、奥様はパートなのか?専業主婦なのか?
これを把握しているのとしていないのでは、投薬内容が全く違ってきます。
例えば、お子さんが大学生、ご主人は仕事が多忙、ご家族の薬をいつも奥様がパートの合間に取りにいらっしゃるご家庭。


【把握していない場合】

患者様:「最近血圧が高いのよね?コロナのストレスかしら?」

薬局:「今日はどれくらいでした?ちょっと高いですね。早く収束すると良いですねー」


【把握している場合】

患者様:「最近血圧が高いのよね?コロナのストレスかしら?」

薬局:「オープンエアな環境ではまず感染しませんから散歩くらいいいですよ?運動不足が慢性化すると血管の弾力性が無くなりますからね。肥満の原因にもなりますし」

患者様:「娘がね。就職が決まってから毎日飲み会で心配なのよ?うちお爺ちゃんがいるし、本人が大丈夫でもコロナを持って帰ってこないかな?っていつも心配で」

薬局:「就職決まったのですねおめでとうございます!ずっとデザイン系のお仕事を目指されてましたもんね!」

「ところで余計なおせっかいですが、ビール1杯でも代謝に8時間掛かります。その間にウィルスや細菌が侵入したら、免疫細胞が戦いに避けるエネルギーは当然少なくなります」

「欧米では若い方でも、新型コロナ肺炎の完治後に肺に深刻な後遺症や損傷が残っているケースが問題として報道されています」

「お爺ちゃんもそうですが、アルコールの大量摂取・睡眠不足等で免疫が低下している場合、若い方でも十分危険だと教えてあげてください。折角夢がかなったのに、酸素ボンベを付けているお嬢様の姿は見たくありません笑」

患者様:「ええ?!鎖に繋いででも飲み会には行かせないわ!ありがとう」

 

高齢者の患者様のケース
老後もお仕事に出られているのか?趣味はなにか?(家庭菜園・囲碁・将棋・麻雀・演奏etc) 
例えば、定期的にレボフロキサシン点眼をもらっているご夫婦がいたとしましょう。
毎日、家庭菜園をやっており、土埃で目が痛くなってしまう→それを把握しているか否かの是非で投薬内容は大きく異なってきます。

【把握していない場合】

薬局:「今日はどうされたんですか?」

患者様:「はあ?(またかよ)」

→いつものテンプレ投薬

【把握している場合】

薬局:「毎日家庭菜園大変ですね?今の旬はなんですか?」

患者様:「これだけが楽しみだからね!今はナスかな?最近強風で目が痛くなる頻度が高くてね。」

薬局:「落ち着いたら未開封分は期限まで取り置きしてOKです。但し一度開封した点眼薬は、一か月後には雑菌だらけになっていますから、廃棄してくださいね?」

患者様:「目薬1本で何日くらい持つんだっけ?」

薬局:「1本で100滴分入っています。○○さんは1日4回両目なので、約12日分。打ち損じもあるかと思いますので、10日分程度で考えておいてください」

患者様の経済環境を把握する!

老後の楽しみとして買い物で貯めたTポイントをご夫婦で投資に回しているケース
コロナで投資した株が暴落してしまい追証が発生している状況。

【把握していない場合】

患者様:「最近金欠でちょっとお会計足りないや?次回でもいいかな?」

薬局:「困ります!今日中に不足分は清算しに来てください!」

【把握している場合】

患者様:「Tポイント投資死んだ笑」

「金足りネーから次回でもいいかな?」

薬局:「追証出ちゃいましたか?笑 全然大丈夫ですよ」

患者様:「いいの?オタクも患者減って困ってるんじゃないの?」

薬局:「お一人の未収で潰れる薬局ならもう潰れた方がいいんですよ笑」

  「そんなことより今日の血圧は~」

患者様の基礎疾患・合併症を把握する!

高血圧と変形性膝関節症を合併されているケース
内科で降圧剤をもらい、整形ではヒアルロン酸注射とリハビリを継続中。
中々、膝の痛みが改善しない状況。

【把握していない場合】

患者様:「お友達にグルコサミンを進められたのだけど降圧剤と併用していいかしら?」

薬局:「大丈夫ですよ」

【把握している場合】

患者様:「同文」

薬局 :「飲み合わせ自体は大丈夫です。但し膝の痛みが改善・ひざの軟骨再生の可能性は0%なのでオススメはしません。」

患者様:「え?でもTVでよく痛みが改善した人を紹介しているじゃない?」

薬局:「あくまでも個人の感想ですと、見えないくらい小さい文字で書いてありますよね?」

「ひざの軟骨を再生した例はありません。再生します・確実に痛みが緩和しますと謳った瞬間に医療広告法違反の犯罪になります。そのギリギリで商売をやっている感じですね」

患者様:「どうすればいいかしら?」

薬局:「体重を減らすこと、リハや運動で膝周りの筋肉をつける事、ヒアルロン酸の注射を継続すること」

「それでもダメならオペしかありません。あんな粗大ゴミに¥8000/月払うくらいなら、ご家族で美味しい物でも食べに行ってください!」

患者様:「まったく効果無いならお友達にも辞めさせなきゃ!ありがとう」


いかかでしたか?
上記は患者様にお喜び頂いた投薬のほんの一例です。

薬局の生き残りを掛けるのであれば、いろいろと近隣薬局との差異が必要ですね?というお話でした。偉そうに述べておりますが、私もまだまだ勉強中です(笑)あくまでもご参考程度になさってください。

今回もご精読ありがとうございました。

 

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