薬局開業、独立への道24【突合制度とレセプトコメントについて】
こんにちは。
先日息子にシングルハンタークイズとして
「アベンガネが森の精霊を呼び出すときの呪文は?」と聞いたら
「いやいやそれトリプルハンタークイズでしょ!?知らねーし!!」
と失笑されてしまったひかり薬局秋山です。
正解はみなさんご存知の通り
ミガームラ サミンガーデュラ インテラミンガ ゼンベラルブラです。
冗談はさておき、今回は突合制度について考察していきます。
既に開業されているオーナー様はみなご存じかと思いますが、これから独立・開業を目指される薬剤師様のため、おさらいしていきます。
目次
突合点検とは
保険適応外の日数、回数、用量、症例に対して薬局が本来疑義紹介をして、変更若しくはレセプトコメントを付けなければ通らない制度。そのまま請求した場合、病院に入金されるはずの診療報酬から、薬局への調剤報酬入金額を天引きされてしまいます。
これに引っかかると、当然処方された先生から雷を落とされてしまいます。
薬局の不備で、先生の収入が減るのですから当然の事と思います。
何度も続けば先生が卸に他の薬局を探させて潰れるまで院内処方にする、薬剤師を取り替えろと薬局側に要求するなどの結果に繋がることもあります(実際に何度も遭遇しております)
かといって過度に慎重になりすぎて、一般的にあまり見ない専門的な処方が出る度に、毎回疑義紹介すると「うるせー!!もっと勉強しろ!」とこれまたお叱りを受けてしまう可能性があります。そこで知っておいて損のない対策を二つご紹介いたします。
薬局におけるレセプトコメントについて
例1)ニコチネルTTS・チャンピックス等、禁煙外来に伴う処方
「ニコチン依存症に伴う処方」と1行入れるだけです。1回入れてしまえば大丈夫です。
注)禁煙に失敗し、リトライの場合は再度コメントが必要になります。
例2)PPIの処方
PPIは基本、保険適応は8週間です。
しかし内科の患者様で、いつも飲んでいる患者様は多いですよね?
これは「胃・十二指腸・逆流性食道炎再発・再燃の可能性高いため8週を超えて処方」と1回、1行コメントを入れるだけで、その後のレセプトは引っかからなくなります。
注)一度完治して再処方の場合は、再度コメントが必要になります。
例3)一包化
一包化加算も実は患者様が必要とされるだけではレセプトは通りません。
審査の甘い埼玉・東京ではコメント無しでも通りますが、本来は先生の指示が必要になります。
「服薬管理困難の為一包化。疑義紹介済」
これを一度疑義紹介して入れて置くか、先生にお願いして処方箋にこのコメントを入れて頂ければ、無事解決です。
【上記は病院側がレセプトコメントを入れていれば、薬局側が入れてなくても通りますが、先生も人間です。入れ忘れてしまうこともあるのは薬局側が把握して、先回りする気遣いは必要です】
処方医の先生とのコミュニケーションをしっかりとりましょう!
処方医の先生とのコミュニケーションで特殊な処方を知ることは重要です。
私もまだ知らないことばかりですが、下記ほんの一例になります。
例1)メイアクト6T分3
診断名:適応症の重症
<解説>耳鼻科・内科、中核・基幹病院の入院冠者様で散見される処方です。
例2)レンドルミン3T分1
診断名:不眠症
例3)デプロメール75mg3T分1
診断名:不眠症
<解説>どちらも精神科で主に出される処方です。デプロメールは今日の治療薬の適応症の蘭に不眠症の記載はありません。専門医がその必要な理由を明記すると、レセプトが通る処方です。
例4)オパルモン6T分3
診断名:閉塞性血栓血管炎に伴う潰瘍、疼痛及び霊感などの虚血性諸症状の改善
<解説>俗にいうオパルモンのパルス投与ですね。主に整形外科・循環器の先生などが処方されています。
まとめ
如何でしたか?上記はほんの一例です。不要な疑義紹介をしたり、患者様にトンチンカンな説明をしたりしないためにも、普段から近隣医療機関の先生とのコミュニケーションは大切です。
何せ薬の種類は7万種類以上ありますからね。
薬剤師が全てを把握しておくことは不可能です。
弊社も近隣医療機関の先生にご迷惑の無い様、まだまだ勉強中です。
患者さまの他にDrの信頼を得ないと処方箋も減っていくのは言うまでもありません。
ご参考までに。ご精読ありがとうございました。