薬局開業・経営への道2【法人か個人か、資本金って何?】

~第二回~起業へ向けての考え方と流れ

こんにちは。

今回は企業に向けてどういう風に始めるか?そしてその流れについてお話していきます。

法人と個人事業主の違い!あなたはどっちで薬局開業します?

法人と個人事業主の違い

法人とはいわゆる会社です。ご自身は代表取締役となります。個人事業主とは自身が各種経費を支払う名義人と、外部の人間が判断する個人となります。それぞれにメリット・デメリットがありますので、下記に説明していきます。

法人のメリット

✔️利益の分散化

法人で起業すると、ご自身は代表取締役になります。また近親者やパートナーの方に事務作業など、軽作業をする役員として登記すれば、利益の中から給与として振り分けることが出来ます。当然支払う税金も軽減できます。

✔️経費として落とせる項目が個人事業主より多い

これについては、弊社に直接お問い合わせいただいた方が早いので、ご興味があれば、下記リンクより、メールにてお問い合わせくださいませ。

✔️退職金制度による、税金の優遇制度がある!

法人の役員は、個人事業主と違い、退職時に経費として税金の優遇を受けることが出来ます。またその金額を、会社の経費として落とすことが出来ます。その計算方法は下記に記載しております。

・会社の経費として認められる退職金の計算式

代表取締役=役員報酬の平均額×就業年数(端数繰り上げ)×功績倍率(3~4)

平の取締役=役員報酬の平均額×就業年数(端数繰り上げ)×功績倍率(1)

 

・退職所得に対する課税金の算出方法

課税対処の退職所得=(退職金-40万円×就業年数)÷2

いかがでしょうか?かなり税金が優遇されていますよね?
続きましてはデメリットに関してお答えします。

法人のデメリット

 

✔️個人事業主と違い、初期費用が掛かり、事業開始まで時間が掛かる

法人を設立するには、法人の実印・定款(事業目的)の作成、法人名義の通帳の作成、法務局への登記が必要になります。一般的に司法書士に委託して行いますので、初期費用は登記や委託費用などで、30万円前後掛かります。委託から登記までに3週間前後の期間が必要です。

✔️社会保険加入が義務化されている

法人の場合、社会保険・厚生年金の加入が義務付けられています。社会保険料・厚生年金の支払いは会社と社員の折半になります。ご自身を含め、正社員に対しては、給与金額の1.2倍程度の支払いが発生します。EX)給与が50万円の社員ならば会社の負担金は約60万円程度。

✔️赤字でも法人税は掛かる!

法人の場合、決算時に赤字だったとしても7万円の法人税を支払わなくてはいけません。但し赤字は次の期以降に繰り越せるので、考え方によってはメリットにもなります。

 

個人事業主のメリット

✔️初期費用がかからず法務局への登記が不要

個人事業主は法務局への登記が必要ないため初期費用は0、すぐにでも事業を始められます。また今まで使っていた口座をそのまま使えます。

✔️赤字ならば税金はかからない!

収入額よりも、支払いなどの経費の方が多かった場合、所得0とみなされ税金は掛かりません。

✔️特定の条件下では社会保険・厚生年金の加入が義務付けられていない

個人事業主の場合、従業員が5人以下であれば、社会保険・厚生年金の加入が義務付けられておりません(2019/6/20現在)よって会社の負担金は、給与額の額面そのままの金額ですみます。小さなクリニックや歯科医院では、このようなケースが多いですね。但し、これは社員の離職率が高くなる一因となるケースも少なくありません。よくご推敲の上、決める必要があります。

個人事業主のデメリット

✔️経費算入できる項目が少ない!

個人事業主の場合、もともと使っていた携帯電話を仕事で使う方が殆どです。プライベートと仕事の使用比率が曖昧なため、一般的に使用料金の半額程度しか、経費として認められないケースが多いです(プライベートと仕事で複数台契約している場合は別)

また、取引先と会食などをしても、プライベートとの境界があいまいで、しっかりした議事録を作らないと、接待交際費として、全額経費として計上するのは難しいと言われています。

✔️退職金の優遇制度が殆どない!

個人事業主には、退職金という考え方がありません。その年の収入-経費=年収 という考え方です。よって、退職時に事業譲渡をした場合、受け取ったのれん代や在庫費用などは全額収入として、課税対象になってしまいます。予め小規模共済や生命保険など、節税効果の高い制度の利用をついて調べておく必要がありますね!

資本金の考え方!資本金ってなに?

資本金とは、最初に会社の口座に入れる金額のことです。給与・家賃の支払いや、取引先への支払い、売り上げ・レセプトの入金に使う口座です。ご自身の生活費が足りないからと、好きな時に好きな額を下すことはできません(横領罪に該当する可能性あり) 

弊社登録の薬剤師様に「資本金はいくらでお考えですか?」と聞くと
「生活費込みで○百万円です」というご回答をよくいただきます。
レセプトは開局月の2か月後の20日前後まで入金されません。
その間の資本金と窓口売り上げ金(レセプト総額の15%程度が目安)から家賃、電気代、リース代、借金の返済、従業員の給与などの諸経費を支払わなくてはなりません。会社のお金に余裕が出るのは、レセプト入金月からです。よって数か月分の生活費を除いて資本金を考えるとよいですね!

ここまでお読みいただきありがとうございます。

いかかでしたか?
ここまでの知識を踏まえて、ご自身の考え方・環境に合った形態で事業を開始しましょう! 
次回は事業を始める際の心構え(絶対にやってはいけないこと!)をお伝えしていく予定です。

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